2009年2月15日日曜日

サルモネラとマリファナ


老婆に教えてもらって知ったのだけれど、ピーナッツバターにサルモネラ菌が入っていて何人も死んじゃって関連製品が軒並みリコールされるという、全米の一部を震撼させる事態が発生している。

本当に美味しいピーナッツバターというものがない極東の国の人々には想像もつかないことだろうが、PB&J という素晴らしく美味しいジャンクフードを子どものランチにもたせられなくなってどうしてくれるんだと全米のマミーが激怒しているし、セロリにピーナッツバターをつけて食べるのが好きなぼくにとっても、これはかなりの痛手だ。

この事件、じつは単なる事故ではなくて、工場の検査で過去にサルモネラが十回以上も見つかってるのに、そしらぬ顔で出荷していたことが発覚していて、ぼくは「どこの日本の話か」と思ったが、どうやらアメリカ人たちは「どこの中国の話か」と思っているらしい。まあ、アメリカでは、日本の偽装ブームの話はほとんど知られていないだろうから、当然か。

さて、日本だったら、とりあえず謝罪会見で社長以下三人が深々と頭をさげてフラッシュがたかれるという私刑がお約束だけれど、アメリカの場合は謝るとかそういうのはべつにどうでもいいので、謝罪会見というのはない。

そのかわり、公聴会やら裁判がつぎのニュースになって、最終的には実刑をくらって、みんな忘れる。というわけで、ニュースをてきとうにみてたら、あったあった。




なにが傑作って、問題の PCA って会社の社長のセリフが素晴らしい。

Mr. Chairman and members of the committee, on the advice of my counsel, I respectfully decline to answer your question based on the protection afforded to me under the United States Constitution.

慇懃に「黙秘権を行使します」って、なにを聞かれてもオーム返しのようにこれしか言わない。ぜんぜん悪びれない。反省のいろなんてこれっぽっちもない。「何を聞いてもすべて黙秘ですか」「はい」って。やじとかもなくて、たんたんと。アメリカちっくで素晴らしすぎる。

いざという時のために、このセリフはよどみなく言えるように練習しておきたい。

さて、アメリカらしいと言えば、以下の動画もかなりアメリカを感じさせてくれるのでおすすめだ。




要するに、ピーナッツの中にはドブネズミとかゴキブリもいたっていう、元従業員の衝撃的証言なんだけれど、内容に関しては極東の村国が何年も前に実現している程度の話なのでそれほど驚くに値しないかも知れないけれど、顔をだして声もそのままで証言というのは流石にアメリカンクオリティかな、と思う。しかも、全力で南部黒人なまりなので、字幕がなかったら何を言っているのか見当もつかない。ほんと、なんど聞いても、ぜんぜん分からない。

ちなみに、PCA のピーナッツバターを使っていて製品がリコールになっている会社はたくさんあるわけだが、そのひとつに、日本でも知られているケロッグ社がある。ここの話が最高にアメリカらしいので紹介したい。

というのも、ケロッグ社は最近、マリファナを吸ったことがバレて謹慎をくらっている五輪水泳の金メダリスト、マイケル・フェルプスをケロッグのシリアルの広告キャラクターからはずしたと発表したのだけれど、それについての抗議が殺到。ケロッグ社に対する電話相談窓口では、リコール対象の商品に関する質問の何倍も、マイケル・フェルプス外しへの抗議が多くて、不買活動にまで発展しているという。ぜひ Kellogg Customers More Concerned With Phelps Than Tainted Peanut Butter という記事を読んでみましょう。

まあ、オバマ大統領だって若いころには吸ったことがあるって告白してるくらいだしね。「サルモネラでリコールなんて、どうでもいいんだ。マリファナを吸ったくらいで犯罪者扱いするんじゃねえ!!!」というのがアメリカの声らしい。前半はともかく、後半はぼくも同意。

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