2005年7月26日火曜日

名義変更手続きの途中

先日の「保険なし、車検切れ、他人名義」の続き。

 一瞬たりとも続きたくないような、今年一杯くらいは続けていたいような。

で、とりあえずさっぱり意味が分からないので、まずは DMV に行ってみた。行くと決まっただけでもかなり憂鬱になる、アメリカで最悪の施設、DMV。

機械が発行する整理券を配る係りというわけ分からんヤツもいるし、そいつにいちいち何しに来たのか説明しないと券はもらえないし、でも、そいつが何かを処理するわけじゃないから結局まったく同じことを後で本当の敵にもう一回説明しないといけないし、そいつの聞き方も態度もかなり横柄でむかつくし、本当の敵もたいていは横柄でむかつくし、おまけに、予約してあるのにいくらでも平気で待たせるし、とにかく、日本で 10年連続サービスの質がワースト 5位に入るようなどうしようもない市役所が仮にあったとしても、その400万倍は最低というくらいの最低さを軽く実現している施設が DMV なのだ。それはともかく。

今日の敵は、残念ながら若い感じのねーちゃん。歳いったおばちゃんとかだとときどき味方だったりするんだけれど、若いやつはまず間違いなく敵。だいたい DMV なんかで働いてる若いやつにろくなやつはいない。客なんて、全員うざくて仕方ないと思っている。それはともかく。

ようするに、おれの車の正統な持主は、なんでおれじゃなくて Beth なのか教えてくれってことだ。

おはようございます。ご機嫌はいかがですか?
ご用件はなんでしょうか。
(けっ。挨拶くらいしろってんだよ。わざわざ下手に出てやってるってのに。敵すぎるな、こいつは)
(挨拶はいいんだよ、ボケが。さっさと用件を言って、おれの仕事を終わらせろっての)
ええ、ぼくの車、ぼくのじゃないって警察が言うんで、どうなってるのか調べて欲しいんです。
車の番号は?
ふがほげです。
カタカタカタッ。その車は Charles さんのものですね。
はあ?警察には Beth さんのって聞きましたけど?
Charles さんが Beth さんに、名義変更をしている「最中」です。
最中って意味わかりませんけど。
必要な全ての書類が提出されてないから、処理が終わってないってことです。
意味分かりません。何が足りないんですか?その処理は、いつ止まってるんですか?
何が足りないかは分かりませんが、去年の10月19日で止まってます。
あのー、ぼく、ここに 10月14日に来て、ぜんぶ処理したはずなんですけれど。
お金は 14日に払われてますが、19日に処理が途中で止まってます。
19日には来てませんし、止まったって聞いてませんけれど。
とにかく、必要な書類が出てないから、まだ、Beth さんのものじゃありません。
いや、っていうか、ぼくは 14日にここに来て、Randy さんの車をぼくの名義にしたはずなんですけれど。
いえ、Charles さんの車が Beth さんのものになる途中です。
すみません。意味がさっぱり分かりません。なんで、知らない二人の売買をぼくがやってることになるんですか。
そんなことは知りません。記録では、Charles さんの車が Beth さんのものになる途中ということです。
その二人が何者かは知らないんですけれど、とにかく、この車はどうすればぼくのものになるんでしょう?
三つ書類を用意して下さい。
はあ。
まず、Title を再発行するための書類。Charles さんのサインが必要。次に、Charles さんから Beth さんからに名義変更する書類。二人のサインが必要。それから、Beth さんからあなたに名義変更する書類。Beth さんとあなたのサインが必要。
ぼくはいくらでもサインするけれど、その二人のサインなんて、どうやってもらうんですか。
さあ。
ていうか、Charles さんと Beth さんって、誰なんですか。
さあ。
皇太子じゃないよね。
…。
(こっちはむちゃくちゃピンチなんだから、少しは笑って空気を柔らかくできんのかっ)
(あー、こいつ、うぜ。まじ、うぜ)
あのー、二人の連絡先は教えてもらえませんよねえ?
もちろん、教えられません。
どうすればいいと思いますか?
さあ。
さあって。
ご利用、ありがとうございました。
とっとと帰れってか。

それにしても、なんなんだ、この複雑極まりない状態は。

9月の終わりに Randy から買ったアメ車の本当の持主は Charles というやつで、その車は、10月半ばにおれの行った手続きによって Beth のものになる予定で、何故か途中で処理が止まってしまっているということらしい。

なんで、おれが処理してるのに、当事者のおれの名前がどこにも出てこないのか。おれは、もしかしたら架空の人物という扱いなのだろうか。もしくは、 Charles と Beth こそが架空の人物で、おれを陥れるために設定された刺客キャラということなのかも知れない。この際、そういう可能性も捨てきれない。

ていうか、誰なんだよ、おまえらは。なんで、おれをハメて嬉しそうに笑ってやがるんだよ。嘘でもいいから、サインくれよ。

2005年7月25日月曜日

26種類もあるんです


アメリカではあれもないだろうし、これもないだろうし、日本人が日本人らしく生活するには不便なことこの上ないんだろうな、と日本の人から思われることは少なくない。とくに食べ物に関してはまともな米さえ簡単に手に入らないんだろうと思い込んでいる人も多くいる。

不憫に思ってくれるのはいいのだけれど、どんなにこちらの状況を説明しても、「いやあ、そうは言うけれどさあ」、などと言って取り合ってくれなかったりする。人の不幸は密の味だし、不憫に思っていた方が気も休まるわけで、ガイコク暮らしを羨ましがるよりかは精神衛生上いいのだろうと思う。

が、こっちに来た際にニジヤに連れて行って、下の陳列商品を見せると、みんな、もう、そういうことを言わなくなる。言えなくなる。




分かりにくいが一応左上から順番に列挙すると
最上段
  • 水戸から.com納豆 ホワイト
  • 山田フーズ おはよう納豆 有機ひきわり納豆
  • 山田フーズ おはよう納豆 黒豆小粒
  • 山田フーズ おはよう納豆 納得納豆極小粒
  • 山田フーズ おはよう納豆 有機畑のおくりもの
  • 山田フーズ おはよう納豆 野菜おろしで納豆
二段目
  • 山田フーズ おはよう納豆 水戸の朝一番
  • 山田フーズ おはよう納豆 ひきわりマイルド
  • 山田フーズ おはよう納豆 野菜おろしで納豆
三段目
  • あづま食品 極小一番
  • あづま食品 おろしだれ納豆
  • 旭松 納豆いち 完熟超小粒
  • 旭松 有機栽培大豆納豆
四段目
  • 山田フーズ おはよう納豆 納豆大好き極小粒
  • 旭松 なっとういち 有機納豆
  • Shirakiku 有機納豆 水戸の味
  • 水戸から.com納豆 ミニ3
  • くめ納豆 極小粒
  • 北海道納豆
五段目
  • ハウス食品 新鮮直送納豆
  • 滋味絶佳 黒大豆納豆
  • 水戸から.com納豆 ホワイト
  • 山田フーズ おはよう納豆 納得納豆極小粒
  • おかめ納豆 極小粒 ミニ2
  • おかめ納豆 旨味 昆布たれ
  • 豆紀 もずく納豆
  • 豆紀 発芽大豆納豆
  • SHOWA 水戸から来たの
最下段
  • 大山納豆 麦とろ納豆

このように、ベイエリアのニジヤでは、納豆のコーナーにはなんと 26種類もの納豆が陳列されている。あまりにも充実しすぎているので数えてみたが、そんなにたくさんの種類の納豆を売るスーパーが、いったい日本にどれだけあるのかと思うくらい凄い。もうね、アホかと。

ほとんどが日本からの輸入なので、当然ながら冷凍であり、品質は日本の新鮮なそれらよりも完全に劣るのであるが、それでもかなり美味しいものもいくつかある。また、アメリカ現地生産で冷凍していない納豆もあり、かなり美味しくて驚く。楽天で売っているような黒大豆納豆とかもある。

値段はほとんどのものが $1.99 くらいで、安いものが $1.49 という感じ。日本に比べたら倍以上する計算だが、輸入だし、なま物だし仕方ない。

聞いた話では、だいぶ前に亡くなってしまったあるニジヤの幹部で、納豆が本当に大好きな水戸出身の人がいて、その人の生前の口癖が、「いつか納豆を日本以上に自由に食べられる、そんなアメリカにしたい」だったらしく、その意思を継いでここまで徹底的にやっているということらしい。なるほどねえ。でも、聞いたというのは嘘。今作った話。

とにかく、毎日乗っている車がある日いきなり盗難車みたいな扱いになってしまう危険を冒してでも、ベイエリアに住んで納豆を選び放題選んでみたい、そう思わせる魅力があるのは間違いない。

のか?

2005年7月24日日曜日

保険なし、車検切れ、他人名義

仕事の帰り、いつもどおりに 101 を走っていたら、パトカーが後ろをついてきた。

無理に後ろについた感じだったので、何かあるのかなあと不思議に思った。まさか、おれじゃないよね。

が、ほどなく止まりなさいの合図。え、おれなの?何かしたっけ?混んでる時間帯で、スピードの出しすぎというのは物理的にありえないし…

ああ、おれが気づいてないだけで、もしかして、どっか壊れてるんだろう。それを教えてくれるのだろう。ボロいアメ車だしさもありなん。

免許証みせて。
はい、これ。
この車、君の?
は?もちろんそうですけど。
レジストレーション、切れてるよ。見せて。
え、ああ、貼ってなかったのかも。すんません、出します…。

銃を出そうとしていると思われたら困るんで、怪しいことをしようとしているんじゃないよという大げさな動作をしながら、ダッシュボードを開けて、レジストレーションを出す。

出してみたら、それは、この春に切れているものが出てきた。あれ?新しいのはなんでないんだろ。家かな。

たいていは、うちに届いたらすぐにシールを張って、レジストレーションの紙はちゃんとダッシュボードに入れておくんだけれどなあ。なんでないんだろ。ぜん ぜん覚えてない。っていうか、そもそも、こういうおれにとってどうでもいいことに関しては、最初から覚えてもいないので、何も思い出せたりはしない。

すみません、なんか、古いのしかないみたい。うちに来てもらえればあると思うんですけど…
じゃ、保険だして。
えーと…。あれ、なんでだろ。保険も載ってない。入ってるんですけどねえ、もちろん。
ちょっと待ってなさい。調べます。
はあ。すんません。うちまで来てもらえれば、ぜんぶ、出せるんですが…

保険は、保険屋にその場で電話すれば説明はつくんだろうけれど、何も書類が載ってないってのはアレだな。っていうか、なんで何も載ってないんだろう。覚えてない。っていうか、そもそも、こういうおれにとってどうで(ry

警官は後ろのパトカーに戻って、おれの車について調べ始めた。おれはそのまま警官が戻ってくるのを待った。

必要な書類はともかく、とりあえず、単行本とかを一冊くらいは載せておくべきだった。待ってるのが暇すぎる。通勤専用車なので、本を読めるほど車内で待つという事態があるとは想定してなかったのが敗因だなあ。本当の敗因はともかく。

何もせずに待ってるのがあまりに暇なので、とりあえず家に電話をしてみたが誰もでない。いつもどおり、家の前で全員で遊びながらお父さんが帰ってくるのを待っているのだろう。お父さんがショッカーに捕まって、絶体絶命のピンチにあるなんて想像もしてないだろうなあ。

そして、結局 15分くらい待たされただろうか。戻ってきたその警官が発した言葉は、想像を絶するほど衝撃的で、おれは完全に言葉を失った。

この車は、Beth さんのもので、4月から NOOP になってます。
はあ?去年の秋からおれのものだし、こうして乗ってますけど。
言いたいことがあったら裁判所でどうぞ。はい、ここにサインして。
ド、ドッキリですか、これは。
その警官からしてみれば、保険も入ってないし、車検も切れてるし、持ち主も違うし、とんでもないやっちゃな、という感じだったのだろうか。

何ゆえ、この車がおれのものじゃないのかさっぱり分からないけれど、とりあえず DMV に行ってみて、去年の秋からこれがおれのものになってるはずなのに、何がどうなってるのか、いろいろと聞いてみないといけないなあ。DMV 大嫌いなのになあ。

それにしても、なにやら、久しぶりの大物という感じで、ワクワクというか、まじ、ヘコみまくるなあ。orz